佐渡では古くから伝わる風習や文化が今もなお続いています。
毎年、旧正月に行われるのが「とうど」「どんどん焼き」と呼ばれる行事です。
新潟では「さいのかみ」、関西では「左義長」と呼ばれています。
佐渡では基本的に1月15日に行われますが、地域によってはその前の週末に行うところもあるようです。
松などの燃えやすい木を藁などで束ね、お正月に飾ったしめ飾りや、去年1年間使われたしめ縄や紙垂など、地域の神社行事で使われたものが火にくべられます。
幟を立てるなど、さまざまな飾り付けをする地域もあるようです。
私の住む地域で行われるのは「とうど」で、小さな地域ごと(神社の氏子の集まりごと)に行われるので、同じ地区内でもあちこちでとうどの火が焚かれ、山の間から煙が上ります。
いわゆる焚き火や野焼きは禁止されていますが、とうどは古くから続けられている集落の無病息災を
願う宗教行事にあたり、特別に許可されています。
もちろん消火や安全には十分配慮のうえ行なっていて、場所も周囲に引火しにくい田んぼの畦や、
川や海の近くで行われます。参加者の中に地域の消防団員がいることも少なくありません。
まず都会では目にすることのないダイナミックな火の勢いに、驚かれる通りがかりの方もいるかも知れません。
とうどではお神酒がふるまわれ、中にはスルメや魚を持参して火で炙って肴にする人もいるとか。
燃えて炭になった木や竹は持ち帰り、家のすみに立てかけると厄除けになるとされています。
ちなみに北欧では、真夏の夏至の日(ユハンヌス)に、とうどと同じような篝り火(フィンランドでは「コッコ」と呼ばれます)が焚かれるそうです。
フィンランドのコッコでは、古くなった木の舟を燃やすとか。
冬至が過ぎて旧正月が終わると、あとは新年の春を迎えるだけ。
寒さや雪はもう少し続きますが、佐渡の人にとってとうどは1年の始まりと折ふしを祝い、
春を迎える大事な風習です。
※地域ごとに場所や日時は異なります。
大きなとうど・どんどん焼きは通りすがりで立ち寄って見学する方も多いです。
佐渡の山奥でコーヒー焙煎所オケサドコーヒーをやっています。焙煎所お隣の里山カフェ山里で週末にコーヒーを淹れています。