佐渡小木地区にある真言宗のお寺「蓮華峰寺」は806年に空海によって開山されたといわれています。
言い伝えによると、唐の僧が師匠の惠果からいただいた三杵(ヴァジュラ宝石)を奪い返そうと
中国の海岸まで空海を追いかけて来たそうです。
追い詰められた空海は日本の方角を向いて宝石を投げ上げ、「密教有縁の所に生きて我を待つべし」と
言い放ち、1つは見附島に、もう1つは高野山に、そして最後の1つは佐渡の小比叡山に飛んでいったといわれています。
蓮華峰寺は金剛寺と室生寺とともに「真言宗の三大聖地」とされていますが、
江戸時代中期の最盛期には40余りの末寺を有し、徳川家の廟所にもなっていたようです。
また、嵯峨天皇の勅願寺であったとも言われています。
小比叡騒動で2つの伽藍が焼失しましたが、室町時代初期に建てられたとされる他の建物の多くは失われず、
沢山の建築様式が良い状態で保存されています。
そのうちの3つが国の重要文化財に指定されており、骨堂は新潟県内最古の建築物であり、
東日本最古の禅宗建築物となっています。
蓮華峰寺は別名「紫陽花寺」とも呼ばれており、境内には7,000株の紫陽花が植えられています。
花が満開になる7月中旬には「紫陽花祭り」が開催されます。
色とりどり紫陽花やうっすらと差し込む光が生み出す空間はとても神秘的で、時間を忘れてしまいます。
佐渡に流れてきたドイツ人です。胃袋を掴まれる時は一番幸せです。